特殊鋼とはどんな材料なのか?

特殊鋼(とくしゅこう、英: special steel)は、通常の鋼よりも特殊な特性や用途に適した合金鋼の一種です。これらの鋼は、特定の要求仕様や性能基準に満たすために特別に合金化され、熱処理やその他の製造プロセスを経て製造されます。特殊鋼は様々な分野で使用され、高い強度、耐摩耗性、耐蝕性、熱伝導性など、特定の性能が必要な場面で役立ちます。

以下は、特殊鋼の主なカテゴリといくつかの例です。

1. ツール鋼(Tool Steel
  • 刃物や工具などの製造に使用される。
  • 高い硬度、耐摩耗性、耐熱性が特徴。

2. 転造鋼(Rolling Bearing Steel
  • 転がり軸受けなどに使用される。
  • 高い表面硬度と疲労強度が必要。

3. 耐熱鋼(Heat-Resistant Steel
  • 高温環境で使用される。
  • 耐熱性やクリープ強度が高い。

4. ステンレス鋼(Stainless Steel
  • 腐食に強く、耐熱性があり、美観性がある。
  • 医療機器、建築、食品加工など広い範囲で使用される。

5. 工具機鋼(Machine Structural Steel
  • 機械構造部品に使用される。
  • 良好な機械的性質と溶接性が求められる。

特殊鋼は、その特殊な性質により様々な分野で要求される用途に適しています。
これらの鋼は通常、高品質な製品や高い性能が求められる状況で利用されます。

特殊鋼とはどんな材料なのか?

厚板プレスで打ち抜き加工をする特殊鋼

• 機械構造用炭素鋼材
代表的な鋼種としてS45CやS55Cがあります。
Sは鋼鉄(Steel)を示し、45はその中の炭素含有量を表しています。S45Cは、中程度の炭素含有量を持つ鋼で、一般的には焼入れや焼戻しなどの熱処理を経て使用され、機械構造や機械部品、工具などの製造に適しています。強度と耐久性が求められる応用分野で使用されることがあります。S45Cは、炭素含有量が0.42〜0.48%であり、S55Cは、炭素含有量が約0.52~0.58%の中程度の炭素鋼です。弊社ではS45Cを厚板プレスで打ち抜き加工をする事が最も多く、加工実績も3.2mm~12mmまであり、厚板の材料の調達も可能です。

• クロムモリブデン鋼材
代表的な鋼種としてSCM435があります。
SCM435は炭素含有量が約0.33~0.38%で、クロムが0.90~1.20%、モリブデンが0.15~0.30%含まれる鋼材です。この組成は、高温での強度と硬度を向上させ、熱処理を行うことで優れた機械的性能を発揮します。一般的には高強度ボルト、ナット、シャフト、歯車など、機械部品や構造部品の製造に使用されます。熱間鍛造や熱間圧延を通じて加工され、その後の焼入れや焼戻し処理が施されることが一般的です。弊社でも12mmの厚板をプレスで打ち抜き加工をしています。

• 炭素工具鋼鋼材
代表的な鋼種にSK85がります。
SK85は炭素含有量が約0.80~0.88%の鋼であり、高い硬度と強度を持っています。この種の鋼は、一般的には刃物、バネ、歯車、精密機械部品など、高い強度や切れ味が求められる用途に使用されることがあります。熱処理を施すことで硬度を向上させ、特に焼入れや焼戻しの処理が一般的です。このような鋼材は、刃物やバネなどの製造に適しています。弊社では薄板をプレス打ち抜き加工での実績があります。