普通鋼とはどんな材料なのか?

普通鋼(ふつうこう、英: carbon steel)は、主に鉄と炭素から成る合金の一種です。この合金には鉄の5元素と呼ばれる、炭素(C)・ケイ素(Si)・マンガン(Mn)・リン(P)・硫黄(S)が含まれる鋼材です。基本的には鉄と炭素の組み合わせが特徴で「炭素鋼」とも呼ばれています。普通鋼は、その炭素含有量によってさらにいくつかのサブカテゴリに分けることができます。

以下は、炭素含有量に基づく普通鋼の主な分類です。

1. 低炭素鋼(Low Carbon Steel
  • 炭素含有量が0.05%未満の鋼を指します。
  • 柔らかく、加工がしやすい性質があり、溶接や成形に向いています。

2. 中炭素鋼(Medium Carbon Steel
  • 炭素含有量が0.25%から0.60%程度の鋼を指します。
  • 強度が増し、硬さが向上します。熱処理により硬度を調整できます。

3. 高炭素鋼(High Carbon Steel
  • 炭素含有量が0.60%以上の鋼を指します。
  • 非常に硬く、耐摩耗性が高い特性があります。しかし、脆い傾向があります。

普通鋼は一般的に製造業や建築業で使用され、その特性により多くの異なる用途に適しています。
製品の要件に応じて、異なる炭素含有量の鋼が使用されることがあります。

普通鋼とはどんな材料なのか?

 

厚板プレスで打ち抜き加工をする普通鋼

• 一般構造用圧延鋼材
代表的な鋼種としてSS400があります。
SS400は、炭素含有量が比較的低く、溶接や加工が容易で、一般的な構造材料として広く使用されています。建築、橋梁、造船、自動車、機械など、さまざまな用途で利用されています。そのため、JIS G 3101規格に基づくもので、「SS」はSteel Structure(鋼構造)を表し、400は引張強さが400 MPa(メガパスカル)であることから来ています。板厚の規格は3.2mm、4.5mm、6mm、9mm、12mmとなっており。弊社でも6mm以上を厚板プレスで抜き加工することが多いです。

• 冷間圧延鋼板
代表的な鋼種としてSPCCがあります。
SPCC鋼板は、冷間圧延法によって製造され、一般的に車両のボディーパネル、家電製品建築材料などの製造に使用されます。この種の鋼材は通常、表面を滑らかに仕上げ、厚さと寸法が精密にコントロールされています。冷間圧延により、材料は硬く、一般的に高い強度と表面仕上げ品質を持っています。SPCCは、一般的な工業製品において広く使用される鋼材の一つで、プレス加工で最もよく使用される鋼材と言っても過言ではありません。「SPCC」はSteel Plate Cold Commercial(冷間圧延商用鋼板)を意味します。板厚の規格は0.1~3.2mmまでになりますが、よく流通しているので、0.5mm~になります。厚板プレスでの抜き加工がメインの弊社でも、しばしば使用することがあります。

• 熱間圧延軟鋼板及び鋼帯
代表的な鋼種としてSPHCがあります。
SPHCは、Steel Plate Hot Rolled Coil(鋼板熱間圧延コイル)の略であり、主に炭素鋼の板材を指します。この規格は、一般的に一般構造用途や一般用途の鋼材として使用されることがあります。SPHCは熱間圧延されたコイル形状の鋼材を指すため、簡単に言えば熱間圧延された鋼板を示す言葉となります。JIS(日本産業規格)において使用されています。 板厚の規格は1.4~14mmまでラインナップされております。弊社でも4.5mmや6mmをプレスで打ち抜き加工をすることが多いです。