①板厚12mmをプレスで打ち抜き加工します

特殊鋼の厚板プレス打ち抜き加工とは?

プレス加工には、打ち抜き(ブランク)加工、曲げ加工、絞り加工などがありますが、

弊社では特殊鋼の厚板プレス打ち抜き加工を得意にしております。

板厚0.8mm~12mmまでの加工実績が数多くありますが、

弊社では、板厚6mm以上の厚板プレス打ち抜き加工を得意にしております。

 

 

4.5mm以上の厚板プレス打ち抜き加工は対応できる会社が少ない

プレス打ち抜き加工では、需要の多さや、設備面の問題から、

対応できる板厚の上限が6mmまでや8mmまでの加工業者が多い中で、

弊社は6mm以上の厚板プレス打ち抜き加工の実績が多数あり、

10mmまではレベラーフィーダでの自動加工に対応しております。

 

なぜ8mmまでの対応が多いのか?

まずは、需要面からです。

弊社は建築・土木、自動車部品などをメインにさせて頂いておりますが、

自動車関連では8mmまでの需要がほとんどです。

やはり車の軽量化のために、板厚を薄くして、高強度な材料を使用したり、

またはプレスで曲げ加工をすると金属は強度を強くすることができるので、

どうしても厚板を使用して強度を確保するしか方法がない場合のみ

厚板プレス加工品を採用する事が多いようです。

 

厚板プレス打ち抜き加工をできる設備とは

続いては、設備の問題からです、機械メーカーにもよりますが、

プレス機械でブランキング加工の加工限界ですが、

200tプレス機で6mmまで、

300tプレスで8mmまでが一般的な対応ラインです。

多くのプレス加工業者では、300tプレスまでの保有が多いです。

300tプレスでもメーカーやラインナップにより、

6mmまでの加工限界の場合もあります。

また、プレス加工会社により、複合加工に対応するために、

機械の能力に余裕を持たせるために、独自に加工板厚の上限に余裕を持たせている場合もあります。

 

なぜ板厚12mmまで打ち抜き加工をできるのか

弊社の場合は、厚板ブランキング用の500tプレスを保有しておりますので、

板厚12mmまでの厚板プレス打ち抜き加工に対応できます。

 

板厚の厚い材料をプレス機械に供給するには

次に送り装置と設置面積の問題です。

コイル材をプレス機械に供給するレベラーフィーダですが、

板厚4.5mm以上になると各メーカーの受注生産品なります。

4.5mmの材料をコイルの巻き癖を取って、プレス機械ラインに必要な長さが約4m、

板厚6mmだと約4.5mのプレスラインが必要になります。

弊社では板厚10mmまで対応可能なレベラーフィーダを保有しており、

約6mの厚板プレスラインを組んでおります。

 

打ち抜き(ブランク)加工とはどんな加工方法か? 

単純な丸形状や四角形状から複雑な形状まで、

所定の形状に打ち抜いて製品(ブランク)形状を作り出します。 

弊社では厚板プレス打ち抜き加工と呼んでいますが、

ブランク抜きとも呼ばれております。 「パンチ」と呼ばれる凸型と、

相手となる「ダイ」と呼ばれる凹型をプレス機械に取り付けて、

プレス機械の上下動による衝撃で所定の製品形状を打ち抜きます。 

 

 

コンパウンド(総抜き金型)とは

弊社ではコンパウンド金型で厚板プレス打ち抜き加工をしているので、平面度の高い製品に加工できます。 

コンパウンド打ち抜き加工で12mmまで対応しておりますが、

はやり金型から安定的に排出されるのは難しく。

弊社でも製品の排出にはいろいろな工夫をいております。

コラム「厚板プレス加工のコンパウンド金型構造」

 

特殊鋼とはどんな材料なのか? 

S45C、SCM435、SK85、などが

弊社で厚板プレス打ち抜き加工でよく取り扱う代表的な種類になります。

特殊鋼は普通鋼に比べると非常に硬い材質です。

一般的にはプレス打ち抜き加工には不向きな材質です。 

 

プレス加工に不向きな特殊鋼を加工するには

弊社では、特に厚板のプレス打ち抜き加工を得意にしておりますので、

硬い材質を打ち抜き加工するために、通常よりも硬い金型材料を検討し、

または金型の焼入れ硬度や金型のコーティングにもこだわり、

特殊鋼のプレス打ち抜き加工に耐える金型を製作しております。

 

鋼材の5元素とは

普通鋼は炭素(C)・ケイ素(Si)・マンガン(Mn)・リン(P)・硫黄(S)の

鉄の5元素が含まれる鋼材でSS400やSPHCなどのSS材、

SP材が代表的な材料です。汎用的な材料で幅広い用途に使用されています。

熱処理はせず、素材のままやメッキや塗装をして使用します。 

特殊鋼は、5元素にクロム(Cr)・ニッケル(Ni)・モリブデン(Mo)などの

元素を添加することにより、高い強度、耐熱性、耐食性を付与することができます。

特殊鋼は厳しい条件下での使用や、普通鋼よりも高性能が要求される部品に広く使用され、

熱処理をしてさらに強度を高めることができます。 

特殊鋼は熱処理が必要ではありますが、

SC材の代表的な鋼種であるS45Cなどは熱処理性を保証している材料ではないので、

選定の際には注意が必要です。 

 

弊社で取り扱いが可能な特殊鋼の例 

S45C、SCM435などの(SC材)、SK85なども(SK材)などの

特殊鋼を専門に取り扱う材料商社との仕入れ体制を構築しておりますので、

コイル材・シート材を問わず幅広い供給体制があります。

また、鋼種や板厚によっては保有在庫もございます。 

もちろん、普通鋼にも対応しておりますので、お問い合わせください。 

 

名称 板厚
S45C t2.0~t12.0
S50C t2.3~t9.0(お問い合わせください) 
S55C t2.0~t3.2(お問い合わせください) 
SK85 t1.6~t7.0
SCM435 t4.0~t12.0(お問い合わせください)
SCM415 t4.0~t6.0(お問い合わせください)