厚板プレス抜き金型の適正クリアランス
厚板プレス打ち抜き金型の適正クリアランス
パンチとダイの隙間のことをクリアランスと呼びます。
適正なクリアランス調整をされた厚板プレス金型で厚板プレス打ち抜き加工をされた製品は、
寸法精度よく見た目の仕上がりも良い製品に加工できます。
一般的なプレス金型では、7~10%が適正クリアランスであると言われています。
当社でも、7%を基本の設計基準としておりますが、
厚板プレス打ち抜き加工においては、10mm以上の厚板については10%を超えるクリアランスで
厚板プレス打ち抜き加工をしないと、製品に悪影響を及ぼすことがあります。
金型のクリアランスは、材料の種類、厚さ、成形プロセス、および金型の設計に依存します。
一般的に、クリアランスは金型内の歪みや摩耗を最小限に抑え、
製品の寸法と形状を正確に維持するために慎重に設計されます。
クリアランスが十分でない場合、金型と材料が摩耗し、金型の寿命を非常に短くなる可能性があります。
逆に、クリアランスが過剰に広すぎると、成形品の寸法や形状が不正確になる可能性があります。
クリアランスは、せん断面の仕上がりや金型の寿命、
プレス機械の荷重などに影響があります。
クリアランスが変わるとせん断面の状態にも変化があります。
クリアランスが小さいと破断面に2次せん断が発生し、
クリアランスが大きいとせん断面と破断面の差が大きくなり、
クラックと呼ばれる割れ目が発生したりします。
クリアランスの決定には材質も影響しますので、金型設計段階からの検討が必要です。
例えば、板厚6mmの材料を適正クリアランス(片側10%)でプレス抜き加工をすると。
せん断面と破断面の差は0.6mm(片側)になります。
弊社では、客先の要求に応じて、材料ロットごとに金型クリアランスを調整できるように
金型設計段階から詳細な検討をしております。
厚板プレス加工の2次せん断面とは
厚板プレス抜き加工において、2じせん断面が発生すると、製品の美観や製品の精度だけでなく、
厚板プレス抜き加工後の後工程においてもトラブルの原因となります。
板厚が10mmを超えてくると、金型の調整やプレス打ち抜き加工時の調整だけでは解決できないことも多く、
材質等の検討段階から注意が必要です。
したがって、厚板プレス加工においては金型のクリアランスを正確に設定することは、
製品品質や金型の寿命を確保するために重要な要素です。
クリアランスは製造プロセスにおいて工程設計者や金型設計者によって検討され、適切に調整されます。
板厚が厚いと2次せん断面は解決できない?
弊社にご相談頂いたなかで、他社では6mmを超える板厚では、
クリアランス調整が難しく、2次せん断面を改善できないとお困りでした。
6mm以下を得意とするプレス加工会社ですと、この様な問題は起こりえます。
弊社では、弊社独自の厚板プレス打ち抜き金型方式により、
12mmの板厚でも、クリアランス調整を可能にし、
2次せん断面の改善に取り組んでおります。